カメがなかなか産卵しない、お尻から臓器が出ている(卵詰まり、卵塞、卵管脱)

(本稿には手術写真があります。苦手な方はご注意下さい)

 

 

 

 

 

カメの女の子はしばしば無精卵を産みますが、長期間卵が体外に出てこない場合には卵詰まり(卵塞)の可能性を考えなければなりません。

卵が体内にある場合、通常カメは食事をとらないので、これが長期化すると衰弱につながります。

特にミドリガメなどのミズガメ類は盛んに卵を産むので、トラブルが発生することが非常に多いです。

強いいきみによって卵管がお尻から脱出したり(卵管脱)、卵管がおなかの中で破裂して腹膜炎を起こすなどの続発症もよく見られます。

内科的治療で卵などが体外に出てこない場合には、手術が必要となります。

 

強いいきみによって生じた卵管のお尻からの脱出(卵管脱)。

 

手術による卵の摘出。

卵管はおなかの中で破裂し、腹腔炎を起こしており、卵はおなかの中に漏出しています。

 

摘出した卵管、卵巣および卵。

大量の卵が保持されていることも大変よく見られます。

衰弱が著しくなければ、術後の経過は良好であることが多いです。