ハリネズミのチクタンとの闘病生活

お久しぶりです、副院長です。
だいぶ日数が空いてしまいました…
ですが、今日から!開業までに、オーナー様方にお伝えしたい小泉ネスト動物病院の志などをお伝えすべくブログを更新させていただきますので、ご覧になっていただきたいです。

まず、先日のブログでお知らせした通り2月の最後の週の土日に内覧会を実施いたします。
病院横の駐車場は3台ですが、第2駐車場もありますので是非ともご来院いただきたいです。

最近のペットショップでは、ハリネズミさんを見かけることも多くなってきたのではないでしょうか。
ハリネズミはほとんど音をたてませんし、臭いもなく、草食動物ほど糞尿の量が多くなく、餌も散らからず、お世話のしやすい子だと思います。

私たちがハリネズミのチクタンに出会ったのは6年ほど前です。
その頃は、まだそんなにハリネズミを見かけることはなく珍しいと思いました。
そのままペットショップで1歳を超してしまい、ハリネズミの飼育環境下での寿命が5~8年ですから、
そのうちの1年というのは長いですよね。
というわけで、「ペットショップで1年経っても、他のオーナーさんと巡りあわせが無かったのなら、
これは私たちと一緒になる運命なんだ」と、お迎えすることにしたのです。

チクタンは初めのうち皮膚炎を経験しましたが、その後は病気らしいものはせず、元気な女の子でした。
しかし、6歳を過ぎた時、食欲が落ちはじめ上唇の付近が腫れてきました。
もうご高齢ですし、チクタンは人に触られることをとてもストレスに感じる子でしたので、積極的な治療を私たちは望みませんでした。

腫れに気づいて1週間で、顔面も押しあがるように腫れ始め、大好きだったカッテージチーズやミールワームも次第に食べれなくなり、その後血尿や呼吸が苦しそうになっていきました。
硬いペレットは食べられなくなったので、ふやかしたり、水の容器を低くして飲みやすくしたり、無理させない程度に強制給仕をしたりしました。
腫れは左の目を隠すほど大きくなり、腫れた部分から膿がでたり、かさぶたが鼻の穴を覆ったりしました。

考えていたことは、「人嫌いなチクタンに、残りの生活をいかにストレスなく、苦しくなく過ごせるように私たちが補助できるか」ということでした。

血液検査をする、腫瘍を手術でとる、といったことには、麻酔が必要となります。
血尿に関しては、貧血になってしまうので、子宮疾患と見越して注射をしました。
強制給餌はストレスになるとは思ったのですが、食べたいのに食べれない空腹感を感じさせたくなかったので行いました。

色々な家族(ペット)の闘病生活をしてきましたが、
チクタンとの闘病生活は、私たち自身も病気を受け入れ、死を覚悟し、残りの生活の質を重視した穏やかな闘病生活だったと思います。

そんな闘病生活も2か月半、先月チクタンはお亡くなりになりました。

チクタンは私たちのペットの中でもかなり当初にお出迎えした子でしたので、
本当に、今まで一緒にいた色々な出来事の思い出の中にチクタンがいました。
最後は、きっとお腹がすいたり、呼吸が苦しかったり、辛かっただろうと思います。
それでも、生きてくれてありがとうと思います。